日本企業も活発に海外イベントに参加してます

2020年初頭から長くに渡って世界の経済活動に影を落としたパンデミック。日本ではまだマスクをしている人も見かけますが、海外では2021年位から経済活動は回復傾向にあります。日本では2023年の5月以降にやっと政府によるマスク着用の緩和が行われ、アウトバウンド、インバウンドともに活発化してきています。
イベントグローブでも、昨年(2022年)下期以降多くのお問い合わせを頂き下記のような海外イベントへの参加サポートをさせて頂いています。
- Singapore Fintech Festival
- American Banker Payments Forum
- Augmented World Expo(AWE)
- Dreamforce
- Plastics Recycling World Expo North America
- New York Comic Con
- CosmoProf Asia Hong Kong
- Ars Electronica
- CPhI Worldwide
- Big5 Global
まだ2〜3名でのイベント参加が中心ですが、今年の下期以降は海外イベントへの出展相談も増えてきており、日本企業の海外活動も本格化してきています。海外イベントへの参加/出展に纏わる面倒な手続きから現地通訳手配、航空券/ホテルの手配など、イベントグローブでは様々なサポートを提供しています。
◆なぜ海外イベントなのか?
イベントグローブでは、海外で開催されているビジネスイベントへの参加を推奨していますが、あらためて、なぜ海外イベントなのか?を検証してみます。
1.参加者の多様性とセレンディピティ
イベントの規模は様々ですが、世界でもデファクトとされているようなイベントには国内外から10万人を超える参加者が集まります。業種、国籍、宗教と様々な属性を持った人々が、そのイベントで何かを見つけようと参加するので、そこでの偶発的な出会いには無限の可能性があります。
いつもと同じメンバー、同意と忖度をしてくれる仲間とは違う意見を聞くことが重要です。

そして、そんな場で偶発的に出会った人々からインスピレーションを得て、あらたなビジネスアイデアを気づかせてくれる機会がある。これが海外イベントの魅力のひとつであるセレンディピティです。
2013年のSXSWで出会ったアメリカ人の起業家は元美容師で、数年前にミュージックフェスティバル目当てで参加したSXSWで、偶然足を踏み入れたインタラクティブのセッションにインスパイアされ、美容院向けの予約サービスを開発しオースティン周辺の多くの美容院で導入されたとの話を聞きました。ひとりの美容師がホットペッパーのアメリカ版のようなサービスを考えたいうこと。
こんな偶然がSXSWの、そして海外イベントの真骨頂なのです。
2.ビジネス展開のスピード

上記のセレンディピティに加えて、ビジネスのスピード感の違いは日本とは比べ物になりません。
以前携わっていたマーケティングイベントでは、北米のイベントに小さなスタンドを出展したスタートアップ企業がその場で1500万円の契約が成立。普段は1案件数十万円というビジネスをしている企業があくまでも投資というスタンスで初めて海外で出展したイベントで出展に掛かった費用の数倍の売上を実現してしまう。それがグローバルイベントのスピード感です。
日本の商取引にありがちな “本社に持ち帰って・・・” という無駄な時間はありません。
なぜならイベントはその場でビジネスを進める場所であり、そこに参加する人たちはそのバジェットを持っているからです。
日本の大企業に多い展示会場をちょっと訪問して、既存の顧客とミーティング/会食、そしてゴルフをする人もいないわけではありませんが、それはマイノリティです。
イベントはビジネスを決める場所なのです。
3.充実したコンテンツ

海外の主要なイベントでは、カンファレンス等のコンテンツが充実しています。展示会フロアでの無料セミナーに加え、有料のカンファレンスでは日本では絶対に登壇しない有名企業のファウンダーやCEOによる講演があります。日本の無料セミナーにありがちな自社の宣伝ピッチではなく、業界を包括的に成長させるための面白いアイデアを聞くことができます。なぜなら彼ら自身がそのイベントのファンであって参加者だからです。
日本のように、登壇するイベントの内容も知らない上場企業の経営者が自分の登壇する時間だけちょっと顔を出して、セールスピッチと自慢話をすることはありません。
海外の主要なカンファレンスは参加が有料であり、それに登壇し講演を行う登壇者も参加者の期待に応えるコンテンツを提供し、それができない登壇者は淘汰されていきます。
業界をリードするカンファレンスには、エスタブリッシュメントから新興企業まで多くのグローバル企業のCEOクラスが登壇しています。そして彼ら彼女らは、カンファレンスを重要なビジネスの場と考えて早くから会場入りしミーティングをこなし、他者の講演を聞き自らの講演内容をブラッシュアップしていきます。2016年11月にアブダビで開催されたADIPECでは、現地時間の朝にドナルド・トランプが大統領選挙に勝利したことを受けて、当日のキーノートスピーカーはいち早く講演内容に新たなシナリオを取り込んで聴衆を湧かせました。
なので、CEOや創業者が多く登壇するカンファレンスは熱量が違う傾向があります。
4.衰退途上国である国内市場の行き詰まり
残念ながら日本の労働人口は減少の傾向にあり、それとともに消費市場としてのポテンシャルも縮小していくことは事実です。一見して盛り上がるインバウンド旅行産業ですが、それも訪日客を受け入れるキャパシティが追いつかなくなれば崩壊しかねません。
世界第3位でありながら過去30年間で6%しか成長していない名目GDP、そしてその結果として日本の国民一人当たりの名目GDPは世界第2位から31位に転落しています。
モノを作るにも売るにも、何をするにも海外との関わりは必須になっており、新たな市場開拓には海外のB2Bイベントが最適です。
◆どんなイベントに参加するべきか?
モノを売る(買う)ことだけが目的の大企業であるならば、単なる展示会に参加するのも一つの選択肢だと思います。もちろん海外にもそのようなイベントはたくさん存在します。

しかし、今後の10年を見据えて、新しいビジネスを考えていくのであれば、もっとインスピレーショナルなコンテンツと出会いの多そうなイベントに参加するほうが良いでしょう。
業種や職責によって様々な答えがあると思いますが、とりあえずはCESやSXSWのような、イノベーションが集まる場所を見てみることから始めると良いと思います。
元々コンシューマ向けエレクトロニクスのトレードショーとして始まったCESは、時代の流れと共に役割を変えながら、今日に至っては世界最大のテクノロジーイベントとして、最新のコンシューマ製品からイノベーティブなコンセプトまでが集結します。
そして元はインディーズのミュージックフェスティバルとして始まったSXSWは、フィルム、インタラクティブとカバー範囲を拡げ、今日では世界各地からイノベーターやディスラプターが集まるイノベーションのデスティネーションとなっています。
CES、SXSW共に言えることは、どちらも特定の産業に偏らず、テクノロジー、ライフ、食品、医療など様々な分野のトレンドセッターになっていることです。
そしてこれらのイベントにはセレンディピティがあります。
◆海外イベントに参加してみよう!
さて、何から始めたら良いでしょうか?
まずは自分の所属している業界や興味のあるテーマからインスピレーションを得ることが出来そうなイベントを探してみましょう。イベントグローブではそんな皆さんがイベントを探しやすいようにイベントをカテゴライズしています。
インスピレーショナルなイベント
これらのインスピレーショナルなカテゴリーから自分の興味のある業界やテーマで参加してみたいイベントをピックアップしてみましょう!
※画像提供:写真AC
◆イベントグローブがお手伝いします

イベントグローブは旅行代理店ではありません。そして単なるイベント制作会社でもありません。イベントを通じて日本企業の海外での活動を支援し、経済活動を活発化することを支援するマーケティングパートナーです。
単なる海外出張のお手伝いではなく、どのようなイベントに参加するか?出展するためのリサーチ/運営サポートなど、あらゆるニーズに対応しています。
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