天使と悪魔:正直な主催者、不誠実な主催者

正直な主催者

こんなエントリーを見つけた。

CMA Live is 2019 is cancelled.

とあるコンテンツマーケティングカンファレンスのキャンセルの告知なのだが、正直に自社(というか経営者自身)が置かれている状況を説明している。

ビジネスの事や家族の事など、複雑な事情が書かれており、イベントのキャンセルまでの経緯が説明されている。もちろんこれが全てでなく、明かされない事実もあるとは思うが、非常に熱い気持ちが伝わってくるのは確かで、少なくともこういう風に思いを語ってくれる主催者は信頼できるのではないかと思う。

不誠実な主催者

そして同時に不誠実なケースもある。別に嘘つきという訳ではないのだけど、ユーザー(イベント参加者)のことをあまり考えていない主催者というのも見受けられる。イベントカレンダーをまとめていると、いつの間にやらイベントのWebサイトを削除している主催者がいる。せめてキャンセルになったとか延期になったとか書いてくれれば良いものを単に削除するだけ。参加を予定していた筈のカンファレンスのサイトが見つからず、自分の勘違いか?と考えたりしながら検索を続けても、すべてが跡形もなく消えている。

カンファレンスを大量生産する主催者は、いくつか見受けられるが、ちょうど今年1月前半に2019年のスケジュールを再確認していたところ、リンクのつながらないページがあり、主催者ページを訪れると34件のカンファレンスをWebページから削除されていた。この主催者のイベントカレンダーに掲載されているカンファレンスが年間で50件程度なので、半分以上が何の説明もなしに変更されているという事実。そして新たに30件ほどの新しいイベントページが立ち上がっている。

上記の2社の違いは何か?

イベント(カンファレンスや展示会)を単なるモノとして扱うのか?それとも自身が生み出した家族のように考えるのか?ではないだろうか。陳腐な言葉ではあるが、情熱やプロダクト・サービスに対する愛情がなくてはビジネスは成立しない。後者の不誠実な主催者にとっては、イベントは単に儲かれば良いので、参加者への便宜は後回し。出展企業集めが不振であれば、簡単にイベントそのものが無かったことにしてしまう。これでは、良いイベントを創ることはかなわない。

実はさらに3つ目のカテゴリーがあって、これは目も当てられない。嘘つきな主催者である。発表された目玉スピーカーが来ないことをアナウンスしない、運営スタッフに暴力をふるい・暴言を浴びせる、発注したものを一方的にキャンセルし違約金を払わない、外部協力企業への支払いを踏み倒す、後援・協力をしてくれたスポンサーに不当な請求をし自社の損失の穴埋めをする。実際に過去に経験したことであり、二度とこの様な主催者にはイベントをやって欲しくはないと思うのだが。