2023年に日本企業が注目する海外イベントを考える

 2020年初頭に端を発したCovid-19(新型コロナウイルス)の影響で、多くの企業が海外イベントへの参加を自粛してきましたが、2022年中盤より回復基調に向かいイベントグローブでも北米・アジアで開催されたHRフィンテック関連のイベントへの参加支援を再開しています。

 年も明けて中国国内での新型コロナウイルス感染者の拡大やウクライナ情勢に加えて、円安や原油高など懸念される材料は残りますが、確実に日本企業による海外イベントへの動きは活発化してきています。イベントグローブでは、2023年に開催される食品、コスメ、コミコン関連のイベント出展への相談を始めており、徐々にコロナ以前のレベルに向けて日本企業の動きが始まっています

2022年に日本企業が注目していた海外イベントは?

 イベントグローブでは、2022年にユーザーの方々が閲覧した海外イベントページのアクセスランキングを元に、海外イベントの注目度をまとめてみました。過去数年、開催自粛・縮小を余儀なくされていた主催者も2023年に向けて開催を再開していくと予想され、更に多くのイベントに注目が集まると思います。2022年の注目度を通じて、あらためて日本企業が今後注目していくであろう海外イベントが見えてくると思います。

注目度スコアの考え方:

 イベントの規模や開催時期も違うため、単純な閲覧数(PV)に加えて、注目度スコアという指標を追加しています。

S:年間を通じて10ヶ月以上閲覧ランキング50位圏内
A:年間を通じて7~9ヶ月閲覧ランキング50位圏内
B:年間を通じて4~6ヶ月閲覧ランキング50位圏内
C:年間を通じて1~3ヶ月閲覧ランキング50位圏内

 各業界の関係者の人数に差があることを考慮して、閲覧PVの絶対数に加えて、閲覧頻度(月間ランキング50位以内の月数)を注目度スコアとして併記しています。

 閲覧数が上位でなくても年間を通じてアクセスのあるイベントは、次回参加を含めて検討するユーザーの多い顧客ロイヤルティの高いイベントと考えられます。年間を通じて7ヶ月以上に渡り閲覧ランクの高いS/Aグループについては、参加検討時期から次回の参加プランニングまで、参加継続性の高いイベントであることが想定されます。

Sグループ:
 CESMWC Barcelonaを始めとした業界スタンダードなイベントに加え、AWS re:InventDreamforceOracle OpenWorld(Oracle CloudWorldに改名)といったツールベンダーによるカンファレンスイベントが台頭しています。これらのイベントは会期以外も年間を通じて閲覧されているイベントであり今後多くの日本企業が参加するでしょう。

 他にはNAB Show(放送機器関連)やNatural Products Expo West(食品関連)、SEMA Showなどが堅調なアクセスを維持しています。

Aグループ:

 製造業やエネルギー、半導体といった専門業界系のイベントが多く閲覧されています。IBCArs Electronicaが昨年に比較して大きくアクセスを伸ばしています。意外なところでは、New York Comic ConComic-Con Internationalといったコミコン系のイベントへのアクセスが多く、これは国内で入手できる情報が限られているからではないかと想定されます。

2023年の予測

 近年の開催中止、開催時期の変更等の影響で昨年は50位圏外に下がっているイベントも数多くあり、例年多くの日本企業が参加するSXSWなども検索数が減少傾向にあるようです。他にも2020年に大きな注目を集めたWeb Summitなどはアクセスを大きく減らしており、Covid-19の影響が薄らぐにつれ上位に上がってくるでしょう。

 今回は、イベントグローブに掲載される全イベントのランキングで分析しましたが、今後は産業カテゴリー別のランキングなど、よりユーザーのニーズに合わせたレポートを提供出来ればと考えています。


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