イベントのオンライン化への本質的な取り組み:FT Liveのケース

 COVID-19の影響を受け、世界的にもオフラインのイベント業界は大きな打撃を受けていますが、そんな中で注目されているのがオンラインでのイベント開催です。不要な接触を避けるためにも有効な取り組みですが、実際の事業性としては難しいものがあるのも事実であって、事業体としての主催者はオンラインでの開催に二の足を踏んでいるのも事実ではないでしょうか?

 最近、様々なオンラインセミナーを通じてイベントのオンライン化について発信されていますが、概ねイベントの配信手段を中心とした方法論のお話が中心であり、オフラインマーケティング事業者としてのイベント主催者が何をすべきか?の議論はまだ見当たらないようです。

「緊急討論! ド〜する?イベント業界」20200316

【オンライン配信 アーカイブ動画】2020年3月16日にライブ配信した「緊急討論! ド〜する?! イベント業界」のアーカイブ動画です。見逃してしまった方はぜひご覧ください!イベント・ライブ業界では、2月以降、新型コロナウイルス感染症拡大による影響のなか、いまイベントは、開催・中止・延期の意思決定が苦渋の判断のなかで行われ、経済的なダメージへの懸念も出始めています。イベンターのためのフェス、体験型マーケティングのカンファレンスとしてその舞台裏にスポットを当ててきたBACKSTAGE実行委員会では、こうした危機的状況に対し、イベント・ライブ主催者やサポート企業、会場などのイベントを取り巻く関係者が、この局面をどう判断し、対処しているのか、さまざまな立場での事実の記録として発信し、この経験から得た気づきを、いま、ともにライブ・イベント業界を支える方にオンライン配信で届けます。これからの開催や事業継続に不安をお持ちの方や、さらに先の未来のリスク管理に対しての提言です。「緊急討論! ド〜する?! イベント業界」概要テーマ1:開催・中止 その時どうした!?  ・主催者として、どう判断し、どんな葛藤があったのか・参加者やスポンサーに向けて、どう対応したのか・サポート企業・会場側の影響はテーマ2:どーする!?今後の対応 ・課題の共有・イベント実施のガイドラインとはテーマ3:アフターコロナでイベント業界どう変わる!?・オンライン配信のその先は?新しいイベント開催手法の可能性・イベント価値の再考▽討論会メンバー1.<MC>主催者(BtoBカンファレンス)田中 準也さん株式会社インフォバーン 取締役COO2.主催者(BtoBカンファレンス) 藤本 あゆみさん 一般社団法人at Will Work代表理事、 Plug and Play Japan株式会社執行役員CMO3.主催者 (eSports) 豊後 祐紀さん 合同会社DMM GAMES / PUBG JAPAN SERIES 担当4.サポート企業(オンラインプラットフォーム) ヒラヤマ コウスケイベントレジスト株式会社 代表取締役/CEO、BACKSTAGE 実行委員長5.サポート企業(企画・運営) 前野 伸幸 株式会社ホットスケープ 代表取締役、BACKSTAGE 実行委員6.サポート企業(映像・空間演出)長崎 英樹さん ゼネラルプロデューサー株式会社タケナカ 専務取締役、株式会社シムディレクト 代表取締役 7.サポート企業(ケータリング)増田 聖美さん ピーシーエム株式会社 新事業開発室 マネージャー/バリスタ8.会場倉橋 慶次さん 森ビル株式会社アカデミーヒルズ事業部課長9.<MCアシスタント>メディア 樋口 陽子 月刊イベントマーケティング編集長、BACKSTAGE 実行委員無観客のオンライン配信イベントとして実施。以下の日程で配信いたします。日時:2020年3月16日(月) 18:00〜19:30(予定)主催:BACKSTAGE実行委員会  特別協力:イベントの未来をつくる105人配信方法:ライブ配信(オンライン配信イベントとして実施)

BACKSTAGEさんの投稿 2020年3月17日火曜日

FTによるイベントオンライン化への取り組み

 4月7日のDIGIDAYに投稿されたFT Liveの取り組みが主催者サイドから見ても非常にアグレッシブかつ事業性を視野に入れていて興味深いものがあります。

要約すると:

FTは4/1に「Digital Dialogue」というオンラインイベントシリーズの第1回目を開催

“The Global Economic Emergency”のテーマでCOVID-19の世界経済への影響について議論、7,000人以上が登録(4,600人がライブ、1,500人が録画視聴)、4,000人がアンケートに回答し700人が開催中に質問

この企画は6日間で準備され実行された

FTは200以上のイベントを運営しており、仮想空間でのスポンサーの利益としてのネットワーキングとリードジェネレーションの実現を重要視している

来月以降、FTでは銀行、資本市場、運輸、製薬、個人金融の7つの分野でのスポンサードのウェビナーを20回予定。

単発のウェビナーだけでなく2日間に渡るオンラインカンファレンスを予定

複数のカンファレンスストリーム同時配信やクローズドのラウンドテーブルを含むテクノロジープラットフォーム開発に取り組んでいる

オンラインイベントでのマネタイズの難しさと重要性を考えている。一括のペイウォールを設けるのは難しいが、付加価値サービスでの段階的な課金システムの導入を模索

バーチャルイベントの収益化の可能性についてはポジティブ。物理的なコストベース(会場費等)が小さくマージナルコストが限りなくゼロに近い。新しいビジネスモデルを構築し、様々な方法で収益を上げていく。

オフラインイベントは復活するし、それはFTにとっても重要なビジネスであることは変わらない。しかし新しいテクノロジービジネスモデルは、その後も重要な資産として生き続けると考える

 過去にも様々なプラットフォーム事業者がオンラインイベントのサービスを提供してきましたがイベントのマネタイズについて有効な解決策は見つかっておらず、このFinancial Timesの取り組みはイベント主催者が自ら事業のサステナビリティを担保するための取り組みとして評価できるのではないでしょうか?

One Thought to “イベントのオンライン化への本質的な取り組み:FT Liveのケース”

  1. […] 古谷:イギリスのFT Liveがかなりアグレッシブにオンラインイベントの事業化での新しい取り組みをしています。またベルリンで開催されているIFAは展示会参加人数制限をかけていくと発表していますが展示会としては成立しにくいですね。 逆にO’Reilly Media(オライリー)は25年間に渡り運営してきた対面型のオフラインのカンファレンス事業からの撤退を発表しています。 特定商品を見るだけであれば、オンライン展示会で十分ですが、偶発的な発見はオフラインが強い。これは新聞のモデルと一緒で、オンラインメディアだと能動的に見に行く記事しか見ないですが、紙の新聞の凄さは意図せずに視線の隅に飛び込んできた記事を読んでしまう。これはオフラインのイベントと一緒ですよね。 会場を歩いていてたまたま出会った人との話に価値が出てくる。もちろん価値のないイベントもあると思いますが 。 […]

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