イベントの発注業務とは?

 企業の日々のマーケティング活動。広告など様々な手法がありますが、オフラインマーケティング(イベント等)もリアルに顧客の声を聞く場として重要です。

 過去数年に渡りインターネット広告費は年率13%強の成長を続けており、早晩テレビ広告費を抜く勢いとなっています。インターネットがたった10年でマーケティングの構造を変えてしまいました。

 ところでインターネットばかりに注目集まっていますが、実はオフラインマーケティング費も総額は大きくないのですが、過去5年間に渡り年率6%の成長を続けています。

 しかしオフラインマーケティングと言っても、実は色々とブラックボックス化されていて、一体誰にお願いするのが正解か?という場面があります。場所の手配、ブース施工の依頼、運営、スタッフ派遣、ケータリング、警備、電気工事などなど、一体何から手を付ければよいのでしょうか?

▼イベント成功の要は“運営”です

 いままで色々な企業のイベント運営を見てきましたが、総じて言えるのが、運営の重要さを見落としているケースが多いということです。制作物やスタッフ、製品・サービスの説明は完璧に準備できているのですが、イベントの始まりから終わりまでの流れがバラバラのケースが多いです。

 展示会への出展、プライベートショーの開催、記者会見、どれも共通して言えるのは、個別の要素が完璧であっても繋ぎがうまくいかないと流れていなかい。嫌な間が発生してしまうことありますよね?

 さらには、イベントの空気の作り方も重要です。目的である新製品の発表や販売促進は主催者の得意とするところです。しかし来場者がイベントを快く体感することができる空気作りは重要です。

これらはすべて運営のお仕事なのです。

 イベント運営のプロは、“器”としての会場や、ブース施工、スタッフの配置をするだけではなく、全体の進行をデザインします。

 イベントを執り行うにあたり無視できないコストはここであって、単にブースがキレイだとか配布物が良いだけではイベント全体としては不完全なものとなってしまいます。そんなことを踏まえて、皆さんがどうすれば、素晴らしいイベントを創れるかを考えてみたいと思います。

▼その発注先、間違っていませんか?

イベントの発注にはいくつも選択肢はありますが:

1.いつも広告宣伝をお願いしている広告会社にお願いする

⇒ 半分正解です。仮に催事に関わる宣伝活動があるのであれば、パッケージでお願いして、全体のコストを調整してもらうのはアリですね。

しかし、イベント単体の発注は・・・・・オススメしません。

 なぜなら、広告会社は広告のプロであってイベントのプロではありません。なので基本的に彼らもイベントのプロに外注に出すことになり、手数料を発生させざるを得ないのです。宣伝とのパッケージというスケールメリットを活かせないのであれば、専門の会社に直接相談するのが正解です。

2.サーチしてみる

分からないことがあれば、とりあえずGoogleに聞いてみるのが一般的ですが・・・

⇒ 誰に相談するのかよく考えましょう。

サーチで見つけた会社は本当にイベントのプロでしょうか?
一体、どんなキーワードで検索をしましたか?

実際、私の周りでも、発注した会社が運営のプロではなかった事例がいくつもあります。

ありがちなのは:人材派遣会社通訳会社物流会社

 イベント運営やイベント制作で検索した時に一番コンタクトしがちなのが、上記の3業種です。なぜこんな事が起きるのかというと

人材派遣会社:普段からイベントへの人材を派遣している
通訳会社:普段からイベントでの通訳をしている
物流会社:海外イベント出展における物流サポートをしている

 各社、イベントに関わる業務をやってはいますが、決して運営のプロではありません。おそらく自社ホームページにイベントに関連する受託案件が含まれているのでサーチに引っかかると思うのですが、彼らは通常イベントの運営会社のサプライヤとして部分的な専門業務を回しています。専門業務には強いですが運営は専門ではありません。

 実際のイベント運営に必要なイベントのプロとはイベントプロデューサーです。優秀なイベントプロデューサーがいれば、運営に必要な要素(施工、電気工事、人材派遣、ケータリング、会場手配、運営等々)をすべてマネージメントしてくれます。

実はイベント運営に強い会社はSEOが弱い

非常に興味深いのは、実はイベント運営に強いとされている会社はサーチエンジン対策(SEO)に弱いのか、一社もGoogle検索の上位に上がってきません。実際に “イベント運営” というキワードで検索すると、国内で信頼をおいている会社は全く上位表示されず、出てくるのはあまり名前を聞いたことのない制作会社ばかりなのが現実です。

▼理想的な発注先探しのキーワードとは?

スバリ一番は、“SP代理店” です。

 検索ワードの観点から見れば“SP代理店”のキーワードで検索するのが、一番の近道でしょう。いままで色々なキーワードを試してみましたが、普段からイベントの運営を行っている会社が上位に表示されるのはこれです。

 本来であればこの分野の仕事はPCO(Professional Conference Organizer)に発注しますが、日本ではこの業種は一般的ではないのです。

 私自身、メディア企業でイベントを主催して運営を外注したり、後に外資のイベントオーガナイザーに在籍して、マーケティングやエネルギー関連のカンファレンスを運営しましたが、実際にイベントを運営できる人材を抱えているのは、国内だとSP(セールスプロモーション)代理店のような業種が一般的です。

 ちなみに、PCOという言葉は日本ではあまり知られていない業種で、唯一使っているのが前述の通訳会社です。彼らはグローバルの定義上PCOでは無いのですが、会社の業務に掲載しているので、海外のオーガナイザーがPCO業務ができると思って発注してしまうケースが散見されます。この場合実務は通訳会社からSP会社に発注して、さらにそのSP会社から通訳を受託するような形になっていることもあります(この場合、通訳会社が一次請けとして手数料が発生します)。

 実際に私が担当したエネルギーのカンファレンスでも、イギリス本社が私の所属する日本法人に相談なく自称PCOである通訳会社に発注をしてしまい、全体ミーティングの時に初めて、その会社がイベント運営を出来ないことが発覚するという事も発生しています。

▼SP会社の優位点とは?

これは発注量と人材がポイントです。

 イベントを発注する場合、コストにどこまで融通を効かせることができるかがひとつのポイントになります。普段発注する立場にない会社の場合、当然単発扱いで仕入れ原価は定価になります。

 しかし、普段から多くのイベントを制作・運営しているSP代理店であれば、サプライヤからの仕入れもバルク扱いとなり有利になります。

 そしてある程度の規模のSP代理店であれば、プロデューサーが複数いるので優秀な人材がいる可能性は高いです。たまたま窓口になる担当者に不足があれば、社内にはサポートできる人材はいるはずです。

▼その会社、本当にSPの会社でしょうか?

次に気になるのは、相手が本当にSPに強い会社かどうか?です。

「イベントの運営できますか?」「SP得意ですか?」

と聞けば、必ず

「もちろんです!」

と答えるのがこの業界です。

 見分け方としては、その会社の業務定款に、人材派遣、通訳/翻訳、物流が入っているかは見分けるポイントです。

 これらの業種は、事業免許や専門スキル、法務のノウハウなど様々な専門知識が必要であり、どれもSP代理店の業務範疇ではありません。これらを業務としているのであれば、その会社はメインがそちらの業務であり、優秀なSPサポートは望めない可能性もあります。


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