COVID-19の流行により、世の中が大きく変わろうとしている局面ですが、イベント業界においても注目すべき動きが5つあると思います。
これらのイベント主催者によるオンライン化への対応が、世界のオフラインマーケティングを大きく変えてしまう可能性を秘めています。
Contents
1.オンラインへの対応による効果の最大化
イベントの開催手法としてのオンラインサービスに目が行きがちですが、オンライン開催はあくまでも手段であって目的ではありません。
単にイベントをオンライン化するのではなく、オンラインでもオフライン同様、それ以上に効果を出すことが出来るかが重要になります。
後述しますが、今年の10月にベルリンで開催されるIFA 2020では招待者の数を絞り、展示会は原則オンラインでの開催を予定、2021年のCES完全オンライン開催と合わせて、将来のイベントビジネスのベンチマークになるような気がします。
2.CESがオンライン開催でビジネスを成立させられるか
以前のポスト(CESの大冒険)でも書いていますが、2021年のCTA(CESの主催者)のアプローチは驚愕に値します。
CESでは数多くの魅力的なカンファレンスセッションが開催され、それだけも十分な価値を提供していますが、CESは年初のイベントとして多くの新製品・サービスが披露される展示会としての役割が大きいのです。
この展示会について、オンラインでの成功事例をCESが創れるのか?それによって世の中のすべてのオフラインマーケティングが大きく進化する可能性を帯びてきます。
単なるバーチャルショールームの提供ではなく、オフラインでの対面イベントを超える仕組みを提供してくれるのかどうか?が今から楽しみです。
3.オフ/オンラインのハイブリッド開催は成立するか?
IFAは部分的オンライン化により、現状を維持しながら感染症対策を実行する道を模索しているようです。
今年の10月にベルリンで開催されるIFA 2020では、COVID-19の拡散を防ぐため、展示会場の来場者を1000名/日にしぼり、カンファレンスも招待者のみの参加とします。展示会の一般公開はなく、原則オンラインでの開催を予定しています。
展示会場への参加人数として考えると1000名というのは、おそらく通常の出展企業スタッフの合計より少ない状態であり、果たしてこの状態で、出展者がどのようなメリットを享受することが出来るのか?当然バーチャル展示会の仕組みを合わせて、出展企業とオーディエンスのエンゲージメントを活性化していくと思いますが、いかにその効果を最大化するのかに注目が集まります。
4.新たなビジネスモデルの確立は可能か?(TNW)
FTLiveによって買収されたThe Next Web。2020年は早々と開催日程の延期を発表し、そしてオンラインへ舵を切りました。
FT Liveは多くのイベントビジネスを展開していますが、今春より多くのオンラインポートフォリオを導入し、独自のインフラを含め新たなビジネスモデルの確立を狙っているようです。
5.オールオンラインへの移行は可能か?(オライリー)
目新しさはないのですが、イベント主催者が従来のオフラインイベントをすべてオンライン化していこうという試みがオライリーメディアです。
25年以上に渡り、様々なテクノロジーカンファレンスを運営してきたオライリーメディアは、今後のすべての対面型のオフラインイベントビジネスからの撤退を表明しています。
オライリーでは既に4600名規模のオンラインカンファレンスの実績があり、今後のカンファレンス事業はオンラインでの開催へと舵を切っていくようです。元々、トレーニングやワークショップ的なカンファレンスも多かったので、オンライン化はしやすいかもしれませんが、課題としてはどのようにカンファレンスをマネタイズしていくのか?かもしれません。
各主催者が様々な取り組みを始め、イベント業界に大きな変化が訪れようとしています。今後もイベントグローブでは、業界の潮流を追いかけていきます。