MWCはバルセロナで継続決定

〜MWC Barcelonaは地域経済の重要なエコシステム〜

 2020年9月に公開したMWC Barcelonaの移転問題、どうやら解決の方向性にあるようです。

 元々2024年まで延長されていたコンセッションは、今回少なくとも2030年まで延長する契約が調印され、当事者の一方が契約解除を希望しない限り、今後10年間は毎年自動的に延長されるとのこと。これに伴い行政は会場であるFira de Barcelona Gran Viaの拡張を含む大規模な投資を決定した。パリやドバイを始めとした世界中の主要都市が興味を示していたMWCの誘致ですが、当面はバルセロナでの開催となりそうです。

 実際に2019年の開催では予想を上回る2億6700万ユーロの投資と7100人以上の直接・間接雇用があり、バルセロナ初開催の2006年以来、MWCは54億ユーロを生み出し、合計14万人の雇用を創出したイベントは、モバイルやテクノロジーだけでなく、バルセロナの経済を向上させてきたことから、MWC Barcelonaがカタルーニャ地域のエコシステムの一部となっています。

 年間3200万人と市の人口の20倍もの観光客というオーバーツーリズムが課題となっているバルセロナにおいても、大規模なイベントの開催は周辺経済にとって非常に重要な経済活動となっており、自治体としても主催者遺留のための対応をしています。

 2020年に端を発したCovid-19による影響をもっとも大きく受けたといってよい大規模イベントMWC。以前「CESの大冒険」でも書いたように、MWCを運営するGSMAは2020年にバルセロナ、上海ロサンゼルスの3つのMWCの収益を失っており、同年にラスベガス開催を乗り切ったCTA(CESの主催者)とは損失額も大きく違うと思われます。

 様々な課題を乗り越えて、バルセロナでの継続を実現したGSMAとカタルーニャ州政府には脱帽です。コンベンションシティとして成功する街、失敗する街があるなか、バルセロナのケースはイベントを誘致する世界の自治体、大規模イベント主催者にとってのモデルケースになるでしょう。

 


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